新型コロナワクチンの3回目接種を考えるとき、気になるのが「2回目より副反応が強くなるのか」「発熱や倦怠感は何日続くのか」という点です。過去の厚生労働省の健康状況調査では、ファイザー社の3回目接種後の副反応は2回目とおおむね同程度でした。一方、モデルナ社のワクチンを対象とした大学の調査では、3回目の発熱率が2回目を下回っています。
2026年10月現在、新型コロナワクチンの接種制度や使用されるワクチンは、初回接種・追加接種が進められた2021~2022年当時から変化しています。過去の3回目接種のデータを正しく読み解きながら、発熱のピーク、ファイザーとモデルナの違い、交互接種の注意点、解熱剤の使い方、医療機関を受診すべき症状まで整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:3回目の副反応が2回目より必ず重くなるわけではなく、厚生労働省の調査ではファイザー社製ワクチンの発熱率はほぼ同程度でした。
- 要点2:発熱や倦怠感は接種翌日に目立ちやすく、多くは数日以内に軽快します。3日目には発熱がほぼ消失した調査結果もあります。
- 要点3:胸の痛み、息切れ、呼吸困難などは通常の副反応と決めつけず、速やかな受診が必要です。2026年の接種については、最新のワクチン情報と接種案内を確認しましょう。
【まず結論】3回目の副反応は2回目より重いのか?
結論からいえば、3回目の副反応が2回目より一律に重くなるという根拠はありません。接種後に発熱や倦怠感が出る人はいますが、その頻度や症状の強さは、ワクチンの種類、年齢、性別、接種間隔、個人の体質などによって異なります。
厚生労働省が2021年12月24日に公表した健康観察日誌の中間報告では、ファイザー社製ワクチンの3回目接種後に37.5度以上の発熱があった割合は39.5%でした。2回目接種後の38.84%と比較すると、差は約0.7ポイントです。3回目だから発熱が大幅に増えるという結果ではありませんでした。
一方、3回目接種では、接種部位の痛みや倦怠感に加え、脇の下の痛み、リンパ節の腫れなどが2回目より多くみられる場合もありました。発熱率だけで副反応全体の強さを判断することはできません。
また、同じ人でも、2回目は高熱が出たのに3回目は軽く済む場合もあれば、その逆もあります。過去に副反応が強かった人は、接種後に休める時間を確保し、体温計や水分、必要に応じた解熱鎮痛薬を準備しておくと安心です。
なお、2026年度の日本の新型コロナワクチン定期接種は、原則として65歳以上の人と、一定の障害要件に該当する60~64歳の人を対象に実施されています。現在の接種で使われるワクチンと、2021~2022年当時の3回目接種で使われたワクチンは同一とは限りません。過去の数値は副反応の傾向を理解する参考になりますが、現在の製剤で同じ発現率になることを保証するものではありません。
【厚生労働省の調査】2回目と3回目の発熱率・症状を比較
副反応の比較では、実際の調査で何が報告されたのかを確認することが重要です。厚生労働省の健康状況調査と岡山大学の副反応調査には、発熱率や症状の経過を把握するうえで参考になるデータがあります。
| 調査・比較項目 | 2回目接種後 | 3回目接種後 | 結果の読み方 |
|---|---|---|---|
| ファイザー社製ワクチンの発熱率(37.5度以上) | 38.84% | 39.5% | 厚生労働省が2021年12月24日に公表した中間報告。発熱率はほぼ同程度。 |
| ファイザー社製ワクチンの接種部位の痛み | 多くの人にみられた | 92.3% | 3回目接種後の報告。接種部位の痛みは代表的な局所反応。 |
| モデルナ社製ワクチンの発熱率(37.5度以上) | 88.0% | 67.5% | 岡山大学の調査。3回目の発熱率は低かったが、対象者や調査条件が異なるため、ファイザー社の結果とは単純比較できない。 |
出典:厚生労働省の新型コロナワクチン接種後の健康状況調査(2021年12月24日公表)および岡山大学の武田/モデルナ社製ワクチン3回目接種後副反応調査(2022年7月公表)。数値は各調査の対象者・集計方法に基づくもので、すべての接種者に当てはまるものではありません。
ファイザー社製ワクチンの調査では、3回目接種後の発熱率は2回目とほぼ同水準でした。接種部位の痛みは3回目でも多く、脇の下の痛みやリンパ節の腫れなどは2回目より高い頻度でみられることが報告されています。
モデルナ社製ワクチンについては、岡山大学が2022年7月に公表した最終報告で、3回目接種後の37.5度以上の発熱率は67.5%でした。2回目接種後の88.0%を下回っています。この調査では、3回目接種後の副反応について、2回目より軽かったとする回答も多くみられました。
ただし、岡山大学の調査は、大学に所属する教職員や学生を対象とした調査です。年齢構成、性別、接種条件、回答者の属性などが異なるため、この発熱率をすべての接種者に当てはめたり、ファイザー社とモデルナ社の優劣を直接示す数値として扱ったりすることはできません。
調査結果から読み取れるのは、「3回目は必ず重い」という単純な関係ではないということです。発熱率だけでなく、倦怠感、頭痛、接種部位の痛み、症状の持続時間などを分けて考える必要があります。
【いつからいつまで?】発熱・倦怠感・頭痛のピークと持続期間
新型コロナワクチンの副反応は、接種直後から数日間にかけて現れることが一般的です。厚生労働省の健康状況調査では、3回目接種後の発熱は接種翌日に最も多くみられ、接種3日後にはほぼ消失していました。
症状の出方には個人差がありますが、過去の調査や厚生労働省の案内をもとにすると、次のような経過が目安になります。
- 接種当日:注射した腕の痛みが始まることがあります。発熱や倦怠感が当日から現れる人もいます。
- 接種翌日:発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、悪寒、強い倦怠感などが目立ちやすい時期です。
- 接種2日目:熱やだるさが残る場合がありますが、徐々に軽快する人が多くなります。
- 接種3日目以降:発熱などの全身症状は改善する傾向にあります。接種部位の痛みや腫れが残る場合もあります。
ここで注意したいのは、「接種3日目にはほぼ消失した」という調査結果が、すべての人に当てはまるわけではない点です。症状が長引く人もおり、強さや持続期間だけで副反応かどうかを自己判断することはできません。
発熱が3日以上続く、いったん改善したのに再び悪化する、頭痛や倦怠感が強く日常生活に支障が出るといった場合は、接種による副反応と決めつけず、医療機関に相談してください。
また、接種後に発熱したからといって、必ずしもワクチンが原因とは限りません。咳、喉の痛み、鼻水などの呼吸器症状がある場合や、感染者との接触があった場合には、新型コロナウイルス感染症など別の病気も考える必要があります。
【ファイザーとモデルナ】副反応の違いと交互接種の注意点
ファイザー社製とモデルナ社製の新型コロナワクチンでは、接種後にみられる代表的な症状はおおむね共通しています。接種部位の痛み、疲労感、頭痛、筋肉痛、関節痛、悪寒、発熱などです。ただし、症状の発現頻度はワクチンの種類や接種量、年齢、接種回数によって異なります。
ファイザー社製ワクチンの3回目接種では、厚生労働省の健康状況調査で、接種部位の痛みや倦怠感などが多く報告されました。発熱率は2回目とほぼ同程度でしたが、脇の下の痛みやリンパ節の腫れが2回目より多くみられることがありました。
モデルナ社製ワクチンの3回目接種については、岡山大学の調査で、発熱率が2回目より低かったことが報告されています。ただし、発熱率が低かったからといって、すべての症状が軽いとは限りません。接種部位の痛みや倦怠感など、ほかの症状も含めて評価する必要があります。
また、厚生労働省が紹介する米国の臨床試験では、従来型ワクチンの3回目接種後にリンパ節の腫れが報告された割合は、ファイザー社製で5%程度、モデルナ社製で20%程度でした。これは当時の特定の製剤・臨床試験に関する数値であり、現在使用されるワクチンや個々の接種者の発現率を示すものではありません。
では、1・2回目と3回目で異なるメーカーのワクチンを使う「交互接種」はどうでしょうか。
厚生労働省の健康状況調査では、ファイザー社製を初回接種に使用し、3回目にモデルナ社製を接種したケースや、その逆の組み合わせも調査されました。接種後には、同様に接種部位の痛み、倦怠感、発熱などがみられています。
ただし、交互接種の調査では、対象者の年齢・性別、接種間隔、人数などが同じとは限りません。メーカーを変更すれば必ず副反応が強くなる、あるいは必ず軽くなると断定することはできません。接種するワクチンは、その時点の公的な接種案内や医師の説明に沿って判断しましょう。
【副反応の対処法】解熱剤・水分補給・休養のポイント
接種後に発熱や頭痛、倦怠感が現れた場合は、まず無理をせず休むことが基本です。厚生労働省は、接種後の発熱や痛みに対して、市販の解熱鎮痛薬を使用することも選択肢として案内しています。
症状が出たときは、次の点を意識してください。
- 水分をこまめに取る:発熱時は汗などで水分が失われやすくなります。一度に大量に飲むのではなく、少しずつ補給しましょう。
- 睡眠と休養を優先する:接種当日と翌日は、できるだけ予定を詰め込まず、体調に合わせて過ごしてください。
- つらい痛みや発熱には解熱鎮痛薬を検討する:アセトアミノフェンや、イブプロフェン、ロキソプロフェンなどの成分を含む薬が選択肢になります。使用前に添付文書を確認してください。
- 腕の痛みには無理のない範囲で対応する:注射した部位を強く揉まず、清潔に保ちましょう。
- 激しい運動や過度の飲酒を控える:体調の変化を把握しやすくするためにも、接種当日は無理を避けましょう。
解熱鎮痛薬は、症状が出る前から予防目的で繰り返し服用することは、厚生労働省では現時点で推奨していません。接種後に症状が現れた場合に、用法・用量を守って使用することが基本です。
なお、持病がある人、妊娠中・授乳中の人、高齢者、ほかの薬を服用している人、胃・十二指腸潰瘍や腎機能低下などの病気がある人、薬によるアレルギー歴がある人は、使用できる薬が限られる場合があります。医師や薬剤師に相談してから使用してください。
高熱や強い痛みが続く場合、症状が長引く場合、普段とは明らかに違う症状が出た場合も、市販薬だけで対処し続けず医療機関に相談しましょう。
【受診の目安】副反応と有害事象の違い、見逃せない症状
ワクチン接種後に起きた健康上の問題は、すべてがワクチンによる副反応と確定しているわけではありません。ここを理解することは、接種後の症状や公表される報告数を正しく読み取るうえで重要です。
有害事象とは、ワクチン接種後に起きた好ましくない健康上の出来事を幅広く指す言葉です。接種との因果関係が明らかでないものや、別の原因によって生じたものも含まれます。
一方、副反応は、ワクチン接種によって起きた反応を指します。ただし、個々の症例では因果関係を明確に証明できないことも多く、実際の安全性監視では、接種後に生じた症状のうち副反応が疑われる事例を幅広く収集して評価します。
厚生労働省の副反応疑い報告制度でも、接種後に発生した症状とワクチンとの因果関係が明らかでない段階から報告対象となる場合があります。そのため、公表された報告件数を、そのままワクチンが原因と確定した件数として解釈することはできません。
一方で、因果関係が確定していないからといって、すべての症状を軽視してよいわけでもありません。次のような症状が現れた場合は、通常の副反応と決めつけず、速やかに医療機関に相談してください。
- 呼吸困難、喉や顔の腫れ、急なじんましん、意識の異常:重いアレルギー反応などの可能性があるため、緊急の対応が必要です。呼吸が苦しい、意識がもうろうとするなどの場合は救急要請を検討してください。
- 胸の痛み、息切れ、動悸など:ファイザー社製・モデルナ社製のmRNAワクチン接種後には、まれに心筋炎や心膜炎を疑う事例が報告されています。厚生労働省は、接種後4日程度の間に胸の痛みや息切れなどが現れた場合、速やかに医療機関を受診するよう案内しています。
- 高熱が長く続く、症状が悪化する:通常の経過とは異なる可能性があるため、医療機関に相談してください。
- 強い頭痛、意識の変化、手足の動かしにくさなど:ほかの重大な病気も考えられるため、症状に応じて緊急の診察が必要です。
また、アナフィラキシーは接種後の短時間に発症することがあるため、接種会場で案内された観察時間を守ることも大切です。重大な症状が疑われる場合は、接種後何日目かにかかわらず、速やかに医療機関へ連絡してください。
2026年現在も、厚生労働省は副反応疑い報告や専門家による審議を通じて、ワクチンの安全性を継続的に評価しています。過去の調査で一般的な症状の多くが数日以内に軽快したことと、個別の重い症状に注意する必要があることは、分けて理解する必要があります。
【副反応 3回目】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:3回目の発熱は何日目がピークですか?
A1:厚生労働省の健康状況調査では、発熱の発現頻度は接種翌日に最も高く、接種3日後にはほぼ消失していました。ただし、症状の出方や持続期間には個人差があり、3日以上続く場合や悪化する場合は医療機関に相談してください。
Q2:ファイザーとモデルナでは、どちらの副反応が強いですか?
A2:一概には決められません。過去の調査では、ファイザー社製ワクチンの3回目接種後の発熱率は2回目とほぼ同程度で、岡山大学のモデルナ社製ワクチンの調査では3回目の発熱率が2回目を下回りました。ただし、調査対象や条件が異なるため、数値だけで両社のワクチンを直接比較することはできません。
Q3:3回目の副反応がつらいとき、解熱剤を飲んでもよいですか?
A3:発熱や痛みがある場合、市販の解熱鎮痛薬を使用することは選択肢になります。アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの薬がありますが、用法・用量を守り、持病や服用中の薬、妊娠・授乳などの事情がある場合は医師や薬剤師に相談してください。症状が出る前から予防目的で繰り返し服用することは推奨されていません。
【プロの結論】3回目の副反応で失敗しないための判断基準
新型コロナワクチンの3回目接種後に副反応が強くなるかどうかは、接種回数だけでは判断できません。厚生労働省のファイザー社製ワクチンの調査では、37.5度以上の発熱率は2回目の38.84%に対して3回目は39.5%と、ほぼ同程度でした。岡山大学のモデルナ社製ワクチンの調査では、2回目の88.0%に対して3回目は67.5%という結果が報告されています。
症状のピークは接種翌日になりやすく、多くは数日以内に軽快します。接種当日と翌日に休めるよう予定を調整し、水分や必要な薬を準備しておくことは、体調管理の面で役立ちます。
一方、胸の痛みや息切れ、呼吸困難、意識の異常、長引く高熱などは、単なる副反応と決めつけてはいけません。通常の症状の経過と、医療機関への相談が必要な症状を区別することが大切です。
そして、2026年の接種を検討している人は、過去の3回目接種の統計だけで現在のワクチンの安全性や副反応を判断しないようにしましょう。最新の接種対象、使用するワクチン、注意事項を厚生労働省や自治体の案内で確認し、自身の健康状態や過去の接種時の反応を踏まえて、必要に応じて医師と相談することが、納得のいく判断につながります。 (出典: 副反応 3回目(Yahoo!ニュース))